有馬町ありまちょう

花窟神社

  「花窟神社(花の窟神社)」は伊弉冊尊(イザナミノミコト)と軻遇突智尊(カグツチノミコト)を祭神とし、古来から社殿は無く、高さ約45mの巨大な岩を御神体としている。当社は日本書紀にも記されている日本最古の神社といわれており、花の窟は神々の母である伊弉冊尊が火神である軻遇突智尊を産み、灼かれて亡くなった後に葬られた御陵であるという。伊弉冊尊の魂を祀るために、土地の人々は花が咲く季節に花を飾り、幟(のぼり)や幡旗(はた)を立て、笛太鼓を鳴らし、歌い踊って祭りを行うとされている。このことから「花の窟(はなのいわや)」という名前がついたといわれる。
  熊野三山の中心である熊野本宮大社は、主神が伊弉冊尊の子の家津御子(けつみこ)神であるため、今も花を飾って祭りが始まることから、花の窟は熊野三社の根源ともされている。平成16(2004年)年7月に花窟神社を含む「紀伊山地の霊場と参詣道」がユネスコ世界遺産(文化遺産)に登録された。

花窟神社社号柱
看板
石碑史蹟花乃窟
鳥居燈籠
燈籠手水舎
鳥居奥に並ぶ神社は
稲荷神社龍神神社
燈籠御祈願絵馬奉掲
燈籠手水舎
狛犬参集殿
御神体前神域
御神体前の御祭神は伊弉冊尊
後方の御祭神は軻遇突智尊
御神体(伊弉冊尊)170mの大綱

御綱掛け神事

  花の窟では2月2日の春季大祭と10月2日の秋季大祭で年2回例大祭が行われ、神々に舞を奉納し、およそ10メ−トルの三旒の幡形、下部に種々の季節の花々や扇子等を結びつけたものを、日本一長いといわれる約170メートルの大綱に吊るし、岩窟上45メートル程の高さの御神体から境内南隅の松の御神木に渡す。この「御綱掛け神事」は太古の昔から行われており、昭和44年(1969年)3月28日に三重県無形文化財に指定されている。
  御綱掛け神事で使われる綱は藁縄7本を束ねた物で、花を付けた3つの縄旗が吊るされている。この縄旗は朝廷から毎年奉納された錦の旗であったが、洪水で旗を積んだ舟が難破したため、縄でその形を模したのが始まりといわれている。御綱掛け神事に用いられる御綱の綯え作業は有馬の氏子が中心となり、花の窟にてほぼ一日を掛けて行われる。


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