市島
神社の紹介
「三島神社」は棚沢の市島集落の鎮守で、祭神を「事代主命」とする。天保12年(1841年)完成の『新編相模国風土記稿』によると小名市島の鎮守で、本地仏三尊弥陀、今一体を失うとある。昭和46年(1971年)年に山頂から中腹に遷座した。
神職所有の由緒によると事代主命鎮座で治承3年(1179年)の創建とある。伝承によれば源頼朝が伊豆国伊東入道方に流浪されていた時に一子犬坊丸をもうけ、家来の関原与一がこの犬坊丸を連れて山間の僻地であるこの地におちつき、伊豆の三島神社をここに祀ったと伝えられる。
当社の棟札には享保5年(1720年)3月の再興と、宝暦12年(1762年)7月および安政4年3月(1857年)の祈願文があり、3つ共に「願主山本院法院」と記されている。この他にも「稲荷社」の棟札が納めてある。
市島には犬坊丸が持っていた杖を土に差したところ、芽吹いて成長し実をつけたという『犬坊柿』伝説がある。また、戦に敗れた祖先の霊を慰めるためソバを作らない風習がある。
例大祭
『風土記稿』によると例祭日は旧暦の6月15日であったが、現在は棚沢の春祭として4月3日前後の土日に行われる。