下吉沢しもきさわ

八坂神社

  八剣神社では「八坂神社」の祭りと称して神輿が出ていたが、現在では八坂神社の神殿や小祠などは存在していない。八剣神社の祭神として八坂神社の祭神である「須佐之男命」が祀られていることから、いずれかの時期に八坂神社が八剣神社に寄宮されたのではないかと推測される。しかし、神輿を担ぎたいので八坂神社と称して神輿を持っているという話もあり、八坂神社についての伝承や記録などからははっきりしたことは分かっていない。



例大祭

  祭日は7月7日であったが、その後は7日前後の土曜日となり、現在は第1土曜となっている。式典は六所神社の神主により13時から執り行われる。
  宮立ちは14時で、町内を太鼓の山車と子供神輿が巡幸した後、16時頃に宮入して大祭は終了する。また、宵宮では19時から20時まで子供達が太鼓を叩き、それ以降は大人たちが叩く。

式典お祓い
神輿を拝むのし用トラック
休憩場所でアイスを配る

囃子

  下吉沢の祭囃子は「下吉沢太鼓保存会」により伝承されている。曲目は「ヤタイハヤシ」と「ミヤシロ(ミヤショウデン)」の2曲あるが、子供達はミヤシロのみ叩く。山車には締太鼓を3個と大胴を1個乗せ、笛と鉦は含まれない。かつては2カラ出たこともあったというが、現在は1カラをトラックに積んで巡行する。
  太鼓の練習は大祭前の3日間と、八剣神社の大祭前(4月)の3日間行い、この他にも子供達の夏休み期間を利用して1週間練習する。   

下吉沢の山車宮出し
町内を巡行する山車途中で大人が叩く
宮入り山車をばらす
囃子


神輿

  大神輿(天王さんともいう)は普段は境内にある倉庫に保管されており、昭和35年(1960年)まで当時の青年会によって担がれていた。お天王さんは下吉沢の地区内を練り歩いたが、各家々ではオコワ(赤飯)を作ってお天王さんに供えたという。これらの酒や赤飯は、神輿を担いた大人と子供に分けた。神輿は区内に6ヶ所の休憩所があり、そこに神輿を下ろして休んだ。神輿を置く台をダイといって、2人ぐらいでこれを持って歩いた。
  大神輿の製作年代は不詳で、比々多地区の三ノ宮から譲り受けたという説もあるが定かではない。屋根を朱色に塗るのは市内ではこの神輿のみである。神輿は長い間倉庫にしまわれていたが、平成20年(2008年)の例大祭では神輿を清掃し、久しぶりに氏子に披露された。
  大神輿は現在も担がれることはなく、子供神輿のみが町内を渡御する。子供の数が少ないこともあり、子供達が太鼓を叩くときは神輿をトラックに載せ、途中で叩き手が大人に交代すると子供達は神輿を担ぐ。「ワッショイ、ワッショイ」という威勢の良い掛け声が町内に響き渡り、祭りを盛り上げる。

大神輿子供神輿
宮出しトラックに載せて渡御
途中で子供達が担ぐ町内を渡御
宮入り大神輿に挑戦

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