山車巡行
@下川窪公園前(出発9:45)
八坂神社神輿が袖ヶ浦公園を出発し、年番町である中町を渡御している間に下町では山車の巡行が行われる。現在、祭典中に山車の巡行を行っているのは下町のみである。八坂神社神輿の渡御は年番町から始まるため、山車の巡行は下町の神輿渡御と重ならないように、毎年巡行する時間帯が変る。
巡行中で一つの見せ場となるのが、山車の舞台部分を回転させる場面である。2011年(平成23年)はA塩海橋際とC江川宅前の2ヶ所の休憩所で、舞台を360度回転させた。全国的に見れば舞台を回転させる山車の構造、いわゆる「廻り舞台」は他にも見られるが、二宮町近隣では非常に珍しいといえる。巡行中は子供達が「ワッショイ」という掛け声で山車を一生懸命に曳く姿が印象的で、親御さん達は暑さを少しでも和らげられるようにと子供達を内輪で仰ぐ。
●巡行準備(開始9:00)
下川窪児童遊園地では9時に再び集合し、山車の巡行に向けて準備が進められる。
下川窪児童遊園地には | 巡行準備の為に関係者が集合 |
袖ヶ浦公園から戻ってきた屋台 | 山車が出発できるように |
道路側にハンドルを向け | 少し前へ移動させる |
左側に切られた車輪軸 | 引っ張るロープは前に伸ばす |
9時15分頃になると | 子供が集り始める |
子供達は公園内の | 日陰に入ってしばらく待機 |
区ごとに別れて | 出席確認 |
●出発式(開始9:20)
山車の曳き手である子供達が集ると9時20分から出発式が行われる。
準備が整い出発式が始まる | 最初に代表区長の挨拶 |
続いて志保美囃子保存会の | 会長より挨拶があり |
同副会長より注意事項の説明 | 出発式が終わり |
山車の方へ向かう子供達 | 地元消防団も応援 |
囃子方は山車の裏側から | 靴を脱いで舞台に上がる |
公園側からも同様に | 御座の上で靴を脱いで舞台へ |
一方、山車を曳く子供達は | ロープに沿って長い列を組む |
最後尾は黄色いリボンが目印 | 高い障害物を避ける竿を持つ |
舞台の上では | 演奏の準備が整い |
後方の車屋台でも | 出発の準備が完了 |
●公園出発
出発式が終わると山車を曳く綱に子供達が整列し、9時45分頃に下川窪公園を出発する。
ロープは子供達で埋まり | ハンドルや |
車輪など | 山車の周囲には大人が就く |
準備が整うといよいよ | 山車が動き出す |
ハンドルとテコを使って | 山車の向きと速度を調節 |
舞台の上では囃子に合わせて | 舞が披露される |
一行は橋を渡らずに | 川沿いを東へ向かう |
車屋台も出発し | 山車の後ろに続く |
山車の後方で響く | 大太鼓 |
暫く川沿いを | 進むと |
最初のT字路を | 左折 |
国道1号線に向かって | 北上するが |
左手に道路が現れると | 直ぐに左折 |
猛暑の中で | 子供達は必死に山車を曳く |
最初の休憩場所を目指し | 一行は西へ進む |
A塩海橋際(到着10:05、出発10:20)
下川窪公園を出発した一行は最初の塩海橋際で休憩をとり、休憩中は山車の舞台を360度回転させる。
木の枝を竿でよけ | 一行は住宅地を進む |
休憩場所まで | 道なりに進む山車 |
テコを使って | 山車の向きを微調整 |
舞台での舞は囃子の曲によって | 面と踊りをかえる |
道に沿って緩く右カーブ | 公園へ続く道も通り過ぎると |
休憩場所までは | あと少し |
休憩場所では飲み物を用意 | 曳き手は送電線の鉄塔を通過し |
駐車場に沿って | 左にゆっくりと曲がる |
山車も微調整を繰り返しながら | 曲がり道を進んでいく |
曳き手は国道の手前で停止 | 山車も休憩所を少し過ぎた所で |
止まり | 子供達は綱から手を離して |
休憩場所へ移動 | 囃子方も山車を降りる |
子供達は麦茶とレモン水をもらい | 暫く休憩を取る |
休憩を先に終えた子供達が | 山車の舞台へ上がる |
子供達で埋まる休憩所 | 山車は楔で車輪を固定 |
囃子の演奏が始まり・・・ | いよいよです・・・ |
大人達が舞台下に手を掛け | 舞台が回りだす |
時計回りに回転する舞台は | 四分の一を過ぎ |
180度まで来ると | 一旦止まる |
再び勢いを付けて回し | 四分の三を超え |
360度で一周して | 元の位置に戻る |
回転中も囃子を続けた子供達 | 休憩時間も終わり |
国道を巡行するために | ロープを準備する |
子供達は再びロープに就き | 出発の準備が整うと |
ハンドマイクで出発の合図 | 消防団員が国道に出て |
車を止めると | ロープを張りながら |
曳き手は左折して国道へ出る | 子供達に曳かれて |
山車も国道へ | その後ろを車屋台が続く |
塩海橋を渡り | 次の休憩場所を目指す |
B浜端橋(到着10:35、出発10:50)
塩海橋際の休憩所を出発した一行は交通量の多い国道を通り、かつて八坂神社の社があったとされる浜端橋の上で2回目の休憩をとる。
一行は国道沿いに西へ進む | 反対車線の車は消防団が誘導 |
子供達が反対車線へ出ないよう | ロープで誘導していく |
暫く進むと | 二宮の交差点で左折 |
山車の後ろに | 車屋台も続く |
西湘バイパスへつながる道を | 海に向かって進んでいく |
西からは上町の車屋台が見え | 左折して北へ向かって移動 |
一行は浜端橋の手前まで来ると | 一旦停止し |
交通量が少なくなるまで | 車を誘導しながら待機 |
赤信号で車が止まると | 曳き手は道路を斜めに横断 |
山車も横断させ | 右脇の上り坂へ向かう |
巡行経路の中で一番の上り坂 | 山車を後ろから押し上げる |
子供達も必死で引き上げ | 突き当りを左に折れる |
竿で枝を避けながら | 何とか坂を上りきる |
山車は浜端橋の上で止まり | 屋台もその後ろで止まる |
子供達は綱から離れ | 水分補給へ向かう |
休憩中も子供達が山車へ上がり | 囃子を奏でる |
親御さん達はカメラに収めます | 橋の南側からは海が見える |
日陰などで体を休め | いよいよ出発の時間が近づく |
休憩中に叩いた囃子方は下り | 次の班の囃子方が乗り込む |
通りがかりの車を | 先に通し |
子供達が綱を手にすると | 浜端橋を出発 |
子供神輿のテント前を通過し | 一行は東へ進んでいく |
二宮町立二宮中学校の | 体育館を通過し |
校舎前を | 巡行していく |
次の休憩場所までは | 一直線の道のり |
C江川宅前(到着11:05、出発11:20)
浜端橋の休憩所を出発した一行は東へ一直線に進み、江川宅前にて3回目の休憩をとる。ここで本日2回目となる廻り舞台を披露し、回転中の舞台の上では子供達が囃子を演奏し続ける。休憩を終えた一行は終点である山車小屋へ向うが、下川窪公園までの下り坂は急なため、囃子の屋台を積んだトラックで後部を引っ張りながら坂を下っていく。
下町児童館前を通過し | クリーニング店も通過 |
掛け声 |
---|
その先の江川商店では | 休憩に向けて飲み物の準備 |
頑張って山車を曳く子供達は | 江川商店前を通過 |
山車を江川商店前で止めると | 子供達に声を掛ける |
子供達は綱から離れ | 江川商店へ向かう |
水分を補給して休憩を取る | 山車に乗り込む子供達 |
そして本日2回目となる | 廻り舞台 |
1回目と同様に | 時計回りに一周 |
囃子の披露を終え | 休憩時間が終わるが |
子供達は綱へは就かず | T字路で左折 |
そのまま下り坂を | 保護者と一緒に下りていく |
曳く綱は舞台の上へ置き | 山車を移動させる |
後ろから山車を押し | ハンドルを左側に切って |
T字路を | ゆっくりと |
左折し | 下り坂に差し掛かる |
ハンドルを切りながら | ガードレール側に寄せ |
楔で車輪を固定 | 後方からは車屋台が |
移動を始め | 山車の後方に付ける |
山車では牽引ロープを準備し | 横にあるフックに引っ掛ける |
このロープと | トラックに付けたロープを |
金具で固定して | ロープを山車の反対側に掛ける |
トラックを少しバックさせて | 牽引ロープを張り |
外れないことを確認すると | 山車の周囲に人が集る |
山車を前方へ動かすと | ロープは強く張られる |
山車を曳く後方のトラックでは | 囃子が奏でられる |
山車は道沿いに右カーブしながら | ゆっくりと坂を下る |
山車が安定して進むと | 舞台の上でも囃子が始まる |
しばらく直線に進み | 今度は道沿いに左カーブ |
坂の下では | 子供達が山車の到着を待つ |
山車はカーブに合わせて | ハンドルを切っていく |
坂を下り終えると | 橋との境を乗り越え |
橋を渡り切る手前で | 山車を止める |
山車巡行時の囃子メンバーは4班に別れており、メンバーは下町内の小学4年生以上から中学生までで、中学生の中から一名責任者を決めている。4つに分けた班のうち1つは山車に乗車し、1つは車屋台へ、残りの2つは山車の曳き手として巡行に携わる。メンバーに含まれていない小学校低学年の子供達は、山車が休憩場所で止まっている間に舞台へ上がって演奏する。
高校生以上になると巡行状況に応じて囃子を演奏するようになり、子供達の面倒なども見る立場になる。ちなみに、平成23年(2011年)は1班あたりの人数は約9人で構成され、下記のようにローテンションが組まれた。
巡行区間 | 山車乗車 | 車屋台乗車 | 山車曳き手 |
下川窪公園→塩海橋 | 1班 | 3班 | 2班・4班 |
塩海橋→浜端橋 | 2班 | 4班 | 1班・3班 |
浜端橋→江川宅前 | 3班 | 1班 | 2班・4班 |
江川宅前→山車小屋 | 4班 | 2班 | 1班・3班 |
D山車小屋前(到着11:35)
山車が坂を下り終えると子供達は山車に繋がれた綱を手にし、ここから最後の山車小屋までは再び山車を曳いての巡行となる。山車小屋へ到着すると子供達へお菓子を配り、子供達は各区で行われる午後の神輿渡御までは昼休憩となる。
舞台から山車を曳く綱を降ろし | トラックと繋いだ牽引ロープを外す |
綱をT字路の右手に伸ばし | 公園で待機していた子供達が |
綱の周りに集る | 出発の準備が整うと |
山車小屋を目指して | 下浜橋を出発 |
突き当りのT字路を右折し | 車屋台もあとに続く |
出発時と同様に葛川沿いを進み | 途中で左折して北へ向かう |
車屋台は左折をせず | そのまま川沿いを直進 |
山車は国道へ向かって | 緩い坂を上がり |
山車小屋へ通じる道を | 右折 |
標識に接触しないように | 竿で提灯枠を逃がす |
子供達に曳かれ | 狭い路地を進む山車 |
山車小屋には車屋台が先回り | 終点はもう直ぐです |
曳き手は山車小屋に到着すると | ここで巡行が終了 |
山車を山車小屋の前まで | 寄せて停止 |
最後に志保美囃子保存会の | 会長より労いの挨拶があり |
巡行に参加してくれた | 子供達にお菓子を配る |
●納庫作業
山車の巡行が終わると飾り付けを取り外し、山車を小屋へ納めていく。一方、車屋台は午後に行われる神輿渡御に同行するため、この時点では小屋へは納めない。
山車では締太鼓を外し | その枠と正面の提灯を外す |
舞台から締太鼓を下ろし | 山車小屋の中へ運ぶ |
大太鼓も舞台から下ろし | 御座の上へ |
山車の正面にハシゴを掛け | 屋根から花を抜いていく |
舞台の紅白幕や | 提灯も外していく |
山車を曳く綱は | 輪にしてまとめる |
枠から外した提灯は | 舞台の下へ手渡し |
紫の幕も | 取り外す |
外した幕類は | 折り畳んでいく |
山車小屋に置いた太鼓を | 隣の屋台小屋へ移す |
最後に水色の幕を外し | 飾り類の取り外しが終わる |
山車を小屋へ入れるために | 左に旋回するが |
小屋へ入らないため | 一旦、後ろへ下げる |
もう一度左に旋回し | 正面を入り口に向ける |
前輪をテコで調整しながら | 山車を入り口に合わせ |
後輪をテコで調節して | 真っ直ぐに中へ入れていく |
山車を小屋へ納めると | ブルーシートを取り出し |
広げて四隅を | 角棒に紐で結び付ける |
山車の四隅には | それぞれ人が登り |
角棒でシートを持ち上げ | 山車へ掛けていく |
前から奥まで | シートをずらしていき |
屋根に対して | 均等にシートで覆う |
最後にシートがずれないように | 紐で舞台付近に結びつける |
山車から下ろした締太鼓は | スパナでボルトを緩める |
山車小屋の横から戸を引き出し | はしごを用意すると |
正面の左端にはしごを掛け | 上まで登っていく |
定滑車にロープを掛け | 後方でそのロープを張り |
戸の上部にもロープを掛け | 後方のロープに人が集る |
ロープを引くと | 戸が持ち上がり |
垂直にして | 入り口の左端を塞ぐ |
小屋の横からもう1枚戸を出し | 滑車は横へずらす |
1枚目と同様に | ロープで戸を吊り上げ |
中央左手にはめ込むと | 再びはしごを掛ける |
滑車を右側のチェーンに付替えて | 3枚目の戸も吊るし上げる |
計4枚の戸で入口に蓋をすると | 山車の納庫作業が終了 |
山車小屋を出発し | 憩の家へ向かう |
敷地内には午後に担ぐ神輿が | 中へ入り |
昼食をとって | 神輿渡御まで休憩をとる |
12時35分頃に納庫作業が終わると憩の家で昼食をとり、八坂神社神輿の下町内渡御までの間は休憩となる。この後は神輿渡御へ。
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