八坂神社祭典(下町編)
下町と八坂神社祭典
通り三町の1つである下町(しもちょう)の氏神は秋葉神社であるが、年間の最大行事となるのがこの八坂神社祭典である。かつては三町全てに木造の山車が存在していたが、現役で山車を曳き回しているのはこの下町のみである。また、神輿も下町内だけで6基所有しており、八坂神社神輿を加えた7基の神輿による渡御は本祭典での見せ場の一つとなっている。下町では祭典の前日に宵宮(宵宮まつり)と称して下川窪児童遊園地(下川窪公園)にてイベントを開催する。町内の住民が協力して催す宵宮もまた、当祭典を盛り上げる一つの行事となっている。
現在は通り三町の八坂神社としての社殿は存在しないが、当社はかつて下町にあったといわれ、西湘バイパスのインターチェンジが出来るにあたり、海岸の遊園地の松林の中に移されたという。例祭日は江戸時代から明治初期までは6月7日であったが、明治6年(1873年)の改暦より1ヶ月遅れの7月7日となった。毎年7月に行われる夏祭りは「お天王さん」と呼ばれ、7日の本祭が天王さんの日であったが、本祭の後の12日に「中天王」、15日には「終い天王(シマイテンノウ)」と称するあと祭りが執り行われていた。かつては神楽や芝居があり、芝居は下曽我の千代から回ってきた。現在の例祭日は7月第3日曜日となっている。八坂神社には原弥惣氏の祖先が寄付されたと伝えられる神輿があり、山西村の宮大工であった周助が元治元年(1864年)6月に製作したものである。
かつては、八坂神社(神輿堂があったともいわれる)を出た神輿が浜や町内を担がれ、中町の守宮神社の前に設置されたお仮屋に安置された。お仮屋には三町から御神燈が奉納され、約1週間の間に三町の人々が参拝をするならわしになっていた。祭りの当日は守宮神社から神輿が担がれると各町内を練り歩き、駆け足で二宮海岸松原まで向った。終い天王では海岸で神輿が海の方へ置かれ、正面の唐戸を開いて神霊を海に送るという「神送りの神事」と称する神事が行われていた。当時は神主を呼ばなかったようである。また、元町の八坂神社神輿と共に禊をしたこともあったようである。八坂神社(神輿堂)へ神輿を納めたのは昭和10年(1935年)頃では午前2時くらいになったという。この神送りの神事は古い形であり、現在は宵宮を含めても2日間の祭典となっている。
以下より、八坂神社祭典で行われる各行事のなかで、下町を中心とする祭典の様子を紹介する。
午前の準備(祭典前日)
祭典の前日は午前9時頃に下町老人憩の家へ集合し、祭典の準備および夕方の宵宮の準備を進める。
●幟立て
この日、最初に向ったのは塩海橋の交差点で、平成8年(1996年)に製作された「祇園御祭礼」の幟を揚げる。同様の幟は上町では二宮駅の南口に、中町では守宮神社の鳥居付近に揚げられる。
9時頃から準備が始まる | 塩海橋の交差点を渡り |
塩海橋バス停奥の | ポールがある場所へ到着 |
ワイヤーに幟を引っ掛け | 直ぐ横では提灯を取り付ける |
ポールと幟をワイヤーで | 固定しながら |
幟を天辺まで | 上げていく |
幟が下がらないように固定して | 幟立ては終了 |
塩海橋の交差点を渡り | 憩の家へ向う |
●竹鳥居、注連縄張り
幟立てが終わると9時30分頃に憩の家へ戻り、敷地の入口へ竹に注連縄を渡して作った鳥居を立て、建物の入り口にも注連縄を張る。この老人憩の家は祭典当日に行われる神輿渡御で、下町区域の最後の休憩場所となっている。
憩の家に戻ると | リヤカーの上に取ってきた竹が |
束ねていた紐をほどき | 2本だけ入口へ運ぶ |
横にして上部に注連縄を渡し | もう一度立てて |
入口両側の石柱へ結びつけ | 3箇所を固定していく |
玄関入口にも縄を張り | 紙垂を取り付ける |
竹の鳥居の上部は注連縄で | 内側に少し寄せられる |
残った竹は再び束ね | リヤカーに縄で固定 |
憩の家を出発し | 別の場所へ移動していく |
玄関入口には提灯を垂らす | 数名が下川窪児童遊園地へ |
●宵宮準備
竹の鳥居の準備と平行して、憩の家では宵宮の準備も進められていく。宵宮の会場は下川窪公園となるので、綿菓子やポップコーンなどを作る機械や、焼そばや焼き鳥を焼く道具などを憩の家から運び出し、トラックで公園まで運搬していく。
玄関に出しておいた | 綿菓子機やポップコーン機などを |
軽トラの荷台へ載せ | 憩の家を出発 |
下川窪公園へ降ろしに行き | しばらくして再び憩の家に戻る |
西側に軽トラを移動させ | 焼鳥や焼そば用のブロックと |
焼そば用の鉄板を積み | 軽トラを玄関前に移動させる |
この日は日差しが強いので | 打ち水で暑さを和らげる |
調理用のコンロを積み | 再び下川窪公園へ向かう |
看板類を屋内から運び出し | 別のトラックへ載せ |
憩の家を出発 | 下川窪公園へ向かう |
食材を積んだワゴン車が到着し | 下ごしらえの為に屋内へ運び |
女性陣に渡していく | 私は憩の家を離れることに |
●宵宮会場準備
宵宮の会場である下川窪公園では憩の家から運んできた機材を降ろし、11時頃まで模擬店の準備が進めてられていく。なお、公園の入り口には憩の家と同様に竹の鳥居が立てられる。
代表区長さんらと移動し | 下川窪児童遊園地へ到着 |
公園では宵宮の準備が進む | 入口には竹の鳥居が立てられる |
金魚すくいの水槽に水を入れる | その横にはヨーヨー釣りの水槽 |
鉄棒に立てかけられた看板 | 綿菓子とポップコーンの機械 |
手作りのテーブルでしょうか | 足を広げて台を載せます |
テーブルを配置し | 看板を掛けていく |
ブランコは柱にくくり付け | 神輿の友好団体の接待場所に |
こちらは輸送された金魚500匹 | なんと奈良県大和市郡山から |
機材を積んだ軽トラが | 憩の家から到着 |
重たい発電機を下ろし | 音が大きいので隅の方へ移動 |
2台目 | 3台目と降ろし |
発電機を移動し終えると | 続いてかき氷機を降ろす |
中央の南側まで運び | テーブルの前に降ろす |
別の車から発泡スチロールの | 容器を降ろして水で洗浄 |
運んできたブロックを使って焼鳥と | 焼そばの準備が進められていく |
軽トラが公園内へ入り | テーブルが運び込まれる |
手作りのテーブルは不安定なので | 持ってきたテーブルを2台並べ |
重量のあるかき氷機を持ち上げ | テーブルの上に置く |
宵宮の準備はおおよそ片付き | 昼食をとるためにに一旦解散 |
午後の準備
午後は宵宮で囃子を演奏するために、車屋台と下川窪公園に置いた山車の準備が進められる。公園では宵宮の開始に合わせて模擬店の準備が進められ、焼きそばや焼き鳥などの調理が始められる。
●車屋台準備
昼の休憩を取ると、午後は13時から車屋台の準備が始められる。屋台はばらさずに小屋へ保管してあるので、そのままトラックの荷台へ積み、提灯や花、幕などで飾り付けをする。最後に太鼓を載せ、宵宮の会場である下川窪公園へ向う。
昼食後に憩の家へ向かうと | 太鼓の準備が始まる |
最初に屋内から御座を出し | 軽のワゴン車へ積む |
続いて締太鼓を運び出し | 荷台へ積んでいく |
大太鼓とバチも積んで | その他の備品も積んでいく |
玄関前には軽トラを止め | 模擬店用の食材等を積んでいく |
ワゴン車へは最後に提灯を積み | 憩の家を出発 |
私もワゴン車を追って山車小屋へ | 中では太鼓を下ろす |
隣はトラックに載せる屋台の小屋 | トラックでは後アオリを下ろす |
荷台に丸めた絨毯を置き | 転がしながら敷いていく |
小屋から締太鼓用の枠を出し | いよいよ屋台を出します |
スペースを確保するために | トラックを前方に移動 |
小屋からゆっくりと | 屋台を引き出していく |
全部外に出すと | 荷台に載せる為に向きを変える |
屋台の内側にしまってあった | 提灯の枠を取り出し |
荷台の奥へ | ずらしていく |
屋台を前方に移動させ | 荷台に接近させる |
屋台を転がす為の鉄パイプを | 荷台へ置く |
屋台を持ち上げる為の | 木の板を入れると、いよいよ |
屋台を持ち上げて | 荷台へ載せる |
鉄パイプに載せて転がしながら | 屋台を奥へ移動させる |
屋台を載せ終わると | 移動用の台車は小屋へ戻す |
アオリを締め屋台の位置を微調整 | 数名は下川窪公園での準備へ |
屋台小屋からダンボールを出す | 山車を引くロープでしょうか |
ここからは屋台の飾りつけ | 幕を広げて屋台の方へ |
憩の家から持ってきた | 弓張提灯を屋台へ運び |
前方の枠に掛けていく | こちらはビニール製の提灯を確認 |
「相州 志保美」の幕が | 両側面のアオリに掛けられる |
下町の提灯を | 屋台の枠に取り付けていく |
トラックの前後には | 「志保美囃子」の幕を取り付ける |
前の角には長い提灯を | 後ろにも小さい提灯を掛ける |
御座の上で太鼓をスパナで締め | 枠には飾りの花を刺す |
締太鼓の枠を荷台の後に載せ | 紐で固定していく |
後ろ側の屋根には | 花の付いた竹を差し込む |
締太鼓は最後の微調整を終え | 山車小屋から運び出し |
屋台の上へ手渡す | 提灯には電球を入れていく |
大太鼓も山車小屋から運び出し | 屋台へ手渡す |
締太鼓を枠に上からはめ込み | 金属の棒を胴とボルトの間へ通し |
金属の棒と枠を | 紐で固定していく |
発電機で電気を起こし | 提灯の電球を確認する |
太鼓を積んだ軽のワゴンは | 下川窪公園へ向かう |
屋台の準備を終え | 屋台をしまう小屋の扉を |
閉めると | 棒で固定 |
宵宮の会場へ移動するために | 私も一緒に屋台へ乗り込み |
小屋を離れる | 途中で右折し |
川沿いの道を進むと | 会場の下川窪公園に到着 |
●山車と宵宮会場の準備
車屋台に乗って下川窪公園に到着すると、14時20分頃から山車の準備に取り掛かる。公園内では模擬店の準備が進められており、16時に宵宮が始められるように、焼そばや焼き鳥の調理も始められる。
屋台から降りると | これから山車の準備が始まる |
公園では宵宮に向けて | 出店の準備が進められている |
山車の準備の前に | 水分補給 |
道路側にはしごを掛け | ブルーシートを巻き上げる |
舞台に置いていたはしごや | その他の小物は下へ降ろす |
花が付いた竹も降ろし | 袋から取り出す |
こちらは太鼓の枠と台 | 公園側のシートも巻き上げる |
屋根の下にある枠に | ビニール製の提灯を掛けていく |
今度は正面にはしごを移動させ | 花が付いた竹を差していく |
山車の準備と平行して | 模擬店の準備も着々と進む |
宵宮30分前になり打水をする | 水槽に一杯になったヨーヨー |
焼鳥を焼く炭に火を起こし | 焼ソバを焼く準備も整う |
こちらはビールを冷やした水槽 | 下に台をかませる |
一方、山車の方では | 正面に志保美囃子の弓張提灯 |
山車の裏では車から締太鼓を | 降ろしてスパナで締めていく |
裏側の屋根にも | 花を付けた竹を差していく |
舞台上では紅白幕を | 台座には水色の幕を張っていく |
模擬店では看板を立てる | 西側では焼ソバの調理が始まる |
暑い中、男性陣が焼き | 女性陣がパックに詰めていく |
川沿いでは焼鳥の調理が始まる | 山車の準備も終盤に差し掛かり |
舞台上部に紫の幕を回し | 中央を紐で結び上げる |
裏では大太鼓を枠にはめる | 志ほみ会の神輿体験募集 |
山車の正面では締太鼓を | 枠に入れて鉄の棒を通し |
枠に紐で縛って固定 | 会場ではかき氷の試し削り |
シロップを掛けて | 試食で頂きました |
舞台には締太鼓用の台も設置 | これで4人が締太鼓を叩けます |
綿菓子も試し作り | 焼鳥も焼きあがってきました |
山車の準備が終わり | 子供達が集り始める |
宵宮
宵宮は16時の開始予定だが、この日は10分ほど早く始まった。模擬店は大人を中心に運営されるが、中学生ぐらいの年代の子供達がボランティアで手伝い、小学生達に焼きそばやかき氷などを手渡す姿が見られる。
16時10分頃になると昼食後に準備した車屋台に囃子方が乗り込み、下町内を囃子を奏でながら巡行していく。また、16時30分頃になると公園の出入り口に置いた山車に子供達を集め、舞台の上で交代しながら囃子が演奏される。
宵宮は開始から2時間後の18時までで、開始時と同様に下町自治会の代表区長の挨拶で終了となる。
10分ほど早いですが代表区長の | 挨拶で宵宮が始まる |
子供達が最初に向ったのは | 無料の綿菓子 |
水槽では水温にならしておいた | 金魚を泳がせる |
人気の子供ゲームでは | じゃんけんでおもちゃをGET |
最初少なかったヨーヨーすくいも | 直ぐに人だかりができる |
フランクフルトありがとうございました | 祭りといえば金魚すくい |
奥では焼鳥のいい匂いが | 各店では中学生ぐらいの子が |
ボランティアで手伝いをし | 宵宮を盛り上げていく |
最初少なかった人出も | 徐々に増え始める |
車屋台には | 囃子方が乗り込み |
移動を始める | 正面の駐車場へ入り |
奥で切り替えすと | 囃子を奏でながら |
公園を出発し | 町内を巡行していく |
こちらの女の子は | ポップコーン売り場へ |
会場は人が増えてきました | 私は焼ソバを求め |
列に並び | 焼ソバを購入 |
飲み物は | コーラを購入 |
軽く食事を取ることに | 山車の前ではアナウンスが入り |
子供達は山車へ集まると | 舞台へ上がっていく |
公園には順番待ちの長い列が | 子供達による囃子が始まる |
大太鼓は大人が後ろで叩く | 叩き終わった子から順番に |
山車を降りて次の子に交代 | 道路にも順番待ちの長い列が |
全員が叩けるように | 大人達が調整します |
6時40分頃には人出がピークに | 会場は満杯です |
駐車場で一休みしていた | 車屋台は再び囃子を奏で |
公園を出発して町内を巡行 | 明日の夏祭りを知らせます |
金魚と | ヨーヨーはすべてなくなり |
楽しかった宵宮は | 代表区長さんの挨拶で閉会 |
禁酒固め
宵宮が終わると「禁酒固め」と呼ばれる席が設けられるが、これは一般的には聞かれない言葉である。地元の方の言伝えによると、八坂神社の祭典中に酒を飲んだ者が揉め事を起こしたために、二度と同じようなことが繰り返されないように、宵宮の時に酒を十分飲み、祭典中は酒を控えるという慣わしがこの「禁酒固め」の由来であるという。
現在は祭典中に禁酒をすることはなく、酒を飲むことはできるが、現在も宵宮の時にはこの禁酒固めという昔からの慣わしが続いている。
●下川窪児童遊園地
下川窪公園では片付けと平行して禁酒固めの準備が行われ、公園の中央にテーブルを並べて、模擬店で作った焼そばや焼き鳥、ジュースやアルコール類を並べていく。禁酒固めは18時20分頃から始められ、15分程で終了となる。
模擬店で使っていたテーブルを | 中央に集める |
綿菓子とポップコーンの機械は | 中を掃除していく |
テーブルは2列に並べ | 縦に長く繋いでいく |
椅子代わりに使っていたケースを | 一箇所に集めていく |
テーブルに飲み物や | 模擬店で作った食べ物を並べる |
ヨーヨーと金魚の水槽は水を抜く | 禁酒固めが始まるアナウンスが入る |
囃子の音が近づき | 車屋台が巡行を終え |
公園に到着 | 右折して駐車場へ入る |
山車では太鼓の枠を外し | 降ろした太鼓は裏へ移動 |
御座の上へ置いていく | 屋台は駐車場へ止める |
公園では宴会の準備が整い | もう一度アナウンスが入る |
堅苦しい挨拶は無しということで | 乾杯はなしで禁酒固めが始まる |
しかし、途中で挨拶が入り | 全員で乾杯 |
禁酒固めは15分ほど続き | 日が落ち始めると |
終了のアナウンスが入り | 禁酒固めは拍手で幕を閉じる |
●片付け
禁酒固めが終わると再び片付けに入り、模擬店で使った機材などをトラックへ積み、老人憩の家や児童館へ運んでいく。
駐車場を出る車屋台 | 山車では階段を舞台へ載せる |
山車の裏では発電機を | 軽トラの荷台へ積んでいく |
公園では片付けが進む | こちらはテーブルを運ぶ |
車屋台は公園を出発 | 山車小屋へ向かう |
山車でははしごを掛け | 雨に備えてブルーシートを下ろす |
反対側に移動し | 同様にブルーシートを下ろす |
黄色いケースを | トラックの荷台へ積んでいく |
女性陣は先に作業を終え | 公園を後にする |
軽トラが1台 | 公園内に到着 |
かき氷機を持ち上げ | 荷台へ載せ |
さらに奥へずらす | かき氷機に使ったテーブルを畳む |
綿菓子とポップコーンの機械も | 荷台へ積んでいく |
別のトラックでも | 荷物を積んでいく |
先ほどの軽トラでは | ロープで荷物を固定 |
道路側では小型のガスボンベや | 焼ソバで使ったコンロを積む |
別のトラックでは | 食材を入れていたケースを積む |
こちらのトラックは公園を出発し | 児童館へ向かう |
一箇所にまとめられたレンガ | 公園の片付けは終了し |
トラックと共に憩いの家へ | 荷物を降ろしに向かう |
●下町児童館
下町児童館では下町の神輿の会である「志ほみ會」の禁酒固めが行われる。
下町児童館へ足を運ぶと | 志ほみ會の会員がトラックから |
荷物を降ろし、階段を下りて | 玄関から屋内へ運び込む |
階段をあがると | 2階が禁酒固めの会場 |
残りの荷物を運び込むと | 会員は会場へ集る |
志ほみ會会長の挨拶で | 乾杯 |
遅れて会員が到着する度に | 乾杯 |
この後も | 乾杯が続く・・・ |
祭典前日の行事は以上であり、祭典当日は早朝から準備が行われる。
朝の準備(祭典当日)
祭典当時は早朝の6時から準備が始まり、当日に町内を巡行する山車や神輿などを中心に準備を行う。
●車屋台準備
下町では触れ太鼓として車屋台が早朝から町内を巡行するため、山車小屋へ6時に集合して締太鼓を締めていく。太鼓が締め上がると屋台へ設置し、6時15分頃に山車小屋を出発して、囃子を奏でながら下町内を巡行していく。
前日に山車小屋へ納めた屋台 | 朝の6時前から準備が始まる |
道路に御座を敷き | 屋台小屋の扉を開ける |
中から締太鼓を運び出し | 御座の上へ置いていく |
大太鼓を2個運び出し | 1個は屋台へ取り付ける |
締太鼓6個に6人が付き | 一斉にスパナで締めていく |
途中で太鼓の音を確認し | 微調整して音程を揃えていく |
締め上がった太鼓は | 屋台の枠へ取り付ける |
屋台小屋の扉を閉め | 棒で固定する |
太鼓の設置が終わると | 囃子方は屋台へ乗り込む |
山車小屋から車屋台が出発し | 今日の祭典を知らせるために |
囃しながら町内を巡行していく | 次は山車の準備へ向かう |
●山車準備
車屋台が出発すると、今度は下川窪児童遊園地へ向い、山車の巡行に向けて6時20分頃から準備が始まる。前日の宵宮では山車を止めた状態で囃子を演奏していたが、祭典当日は山車を曳き回す為、方向転換するハンドルや子供達が山車を曳くための綱を取り付けていく。
山車の準備は25分ほどで終わり、6時50分頃には解散となる。
山車小屋を歩いて出発し | 下川窪児童遊園地へ向かう |
公園に着くと山車からハシゴや | 階段を降ろす |
山車小屋で締めた太鼓は | 軽のワゴンから降ろし |
山車へ運んで | 舞台上へ手渡す |
大太鼓も運び出し | 舞台へ上げていく |
山車の正面には | 弓張提灯を掛ける |
締太鼓を枠にはめ | 鉄の棒を通して固定 |
山車に掛けてあったブルーシートを | 公園側から棒でまくり上げ |
反対の道路側から | 引っ張る |
屋根に引っかかるシートを | 外しながら |
ようやくシートが | 下ろされる |
駐車場側へ | シートを移動し |
小さく | 折り畳む |
駐車禁止のポールを外し | おもり容器から水を捨てる |
山車の下にしまっておいた | ハンドルを引き出し |
車輪を繋ぐ木の角材に | 両側をボルトで固定 |
後輪側にも同様に | ハンドルをボルトで固定 |
前輪側では | 山車を曳くロープをほどき |
後輪側にあるフックに | ロープの端を引っ掛け |
横にある金具に一巻し | 前輪側へ渡す |
前輪側にあるフックにも | 一巻して完了 |
前後のアームは下に置かず | 紐で吊るし上げて固定 |
締太鼓と大太鼓には | 茣蓙を被せる |
25分ほどで | 山車の準備を終え |
山車の巡行まで | 一旦解散 |
●神輿準備
7時からは祭典の会場となる袖ヶ浦公園にて、八坂神社神輿と三町の神輿の準備が行われる。神輿と式典の準備が行われる間に三町の車屋台が公園に到着し、東側に3台を並べて停車させる。
私は袖ヶ浦公園へ移動 | 途中で上町の屋台が通り過ぎる |
左折して海岸方向へ向い | 袖ヶ浦公園に到着 |
到着した下町の軽トラから | 中神輿を下ろす |
公園の北側へ移動し | 馬の上へ中神輿を置く |
小神輿も荷台から下ろし | 中神輿の隣へ輿を下ろす |
中神輿に網を回す | 奥には中町と上町の神輿 |
上町が奥にある倉庫へ移動し | 中神輿の輿棒へ手を掛ける |
そのまま持ち上げ | 倉庫から中神輿を出す |
北側から囃子が聞こえると | 下町の車屋台が公園に到着 |
東側から入場し | 左に旋回して海側へ向かう |
上町の神輿は中町の隣へ置く | 残るは八坂神社の神輿 |
下町の車屋台は東側へ止める | 各町内の神輿を奥へ詰めていく |
神輿の配置を整えていると | 下町と同じ鎌倉囃子が聞こえ |
下町に続いて中町の車屋台が | 2番手で会場入り |
公園内で左に旋回し | 下町の北側に止める |
中神輿3基と小神輿2基が | 祭場に整列すると |
奥の倉庫へ向かう | 忌竹内には馬を用意する |
倉庫の中へ入り | 神輿の輿棒へ手を掛けると |
大鳥をぶつけないように | 低い姿勢で倉庫から出す |
そのまま直進し | 忌竹内に神輿を入れると |
馬を入れて | 腰を下ろす |
輿棒の前後には | 芯出し用の綱を付ける |
今度は大山囃子が聞こえ | 上町の車屋台が現れる |
公園の入り口で | 右折し |
一番奥へ屋台を止めると | これで三町の車屋台が揃う |
建物前に | 提灯を立て |
八坂神社神輿の前には | 神饌を供える為の台を置く |
神主は各町の神輿を回り | お札のようなものを供えていく |
供えられる神饌は | 手前に餅と両端にお神酒 |
果物と野菜に挟まれて | 中央には本物の鯛2匹 |
地元の二宮町消防団も集合し | 式典の準備が整う |
八坂神社祭典
八坂神社の社殿は存在しないが、神輿蔵にて一般的な神社と同様に式典が行われる。八坂神社祭典は三町が輪番で当番を務め、2011年(平成23年)は中町が当番町であった。
●式典
7時45分から神輿蔵の前で式典が始まり、川勾神社の神主により神事が執り行われる。
通り三町の関係者が | 八坂神社神輿の前へ集る |
当番町の中町の司会で | 祭典が始まる |
川勾神社の神主により | 神事が執り行われていく |
出席者と | 神輿をお祓い |
修祓に続いて降神 | 続いて献饌 |
祝詞奏上に続き | 神主による玉串奉奠 |
各団体の代表に玉串を手渡し | 順番に神輿へ奉奠していく |
代表者に合わせて二拝 | 二拍手、一拝 |
最後に撤饌で | 神事は滞りなく終了 |
お神酒を用意して | 出席者に配ると |
中町の宮総代の音頭で | 乾杯 |
●袖ヶ浦公園出発(宮発ち)
式典は8時15分頃には終了し、八坂神社神輿では宮発ちに向けて準備が進められる。八坂神社神輿以外の神輿はそれぞれの町内へ運ばれ、囃子の車屋台は年番町の中町以外が各町内へ向う。
志保美囃子保存会は | 車屋台をバックさせ |
神輿と中町の屋台の間を通過 | 囃子を奏でながら |
公園を出発し | 地元である下町へ向かう |
一方、八坂神社神輿では | お神酒の準備 |
神輿に供えられた | 神饌を下げる |
下町は中神輿の周りに集り | 持ち上げると |
肩に担いで | 海岸方向へ移動 |
南側に止めてある軽トラックへ | 中神輿を下ろす |
続いて小神輿も移動 | アナウンスが入る八坂神社神輿 |
小神輿も軽トラックへ運び | 中神輿の隣へ下ろす |
八坂神社神輿では当番町の | 中町によって出発の式典が |
進められていく | 守宮神会から友好団体の紹介 |
代表者へ襷を手渡していく | 続いて川勾神社の神輿の会より |
会長が挨拶し | 守宮神会会長へ清酒を手渡す |
その他にも2組の会の代表へ | 清酒を手渡していく |
守宮神会の輿頭の紹介があり | 神輿渡御の注意点を説明 |
用意しておいた | お神酒を配る |
神輿の式典が終わると | 中町の車屋台が動き出す |
神輿の横を通過し | 出入り口付近で待機 |
上町の中神輿が | 海岸側へ移動 |
八坂神社神輿では守宮神会より | 集合のアナウンスがあり |
神輿に肩を入れると | 中町は囃子を奏で始める |
中町の車屋台は公園を出発し | これから神輿を先導していく |
神輿では準備が整い | 担ぎ上げる |
そのまま出入り口へ向い | 公園を出発 |
中町の中神輿はリヤカーに載せる | 囃子の車屋台は上町が |
一番最後に出発 | 公園を出発した八坂神社では |
甚句が入り | 北へ向かって練り歩く |
その後ろを中町の | 中神輿が続く |
続いて上町の小神輿が | 公園を出発 |
上町の車屋台も | 後に続く |
最後に下町の中・小神輿と | 上町の中神輿が続く |
公園を出て北へ進み | 十字路を右折すると |
八坂神社神輿に追いつく | 海の星幼稚園の手前まで来ると |
神輿は右折して海岸側へ向かう | 中町の車屋台は北側で待機 |
8時45分頃に袖ヶ浦公園を出発した八坂神社神輿は三町を順番に渡御していくが、先ず最初に年番町である中町を渡御し、続いて上町、最後に下町を渡御する。このページは下町編のため、下記のリンク先に八坂神社祭典中の下町の活動を紹介する。(※記載している出発と到着の時刻は予定されたものであり、交通状態やその他諸事情などにより前後する)。
・山車巡行(午前)・・・下川窪公園〜山車小屋
・神輿渡御(午後)・・・原宅〜憩の家
三町宮入渡御
下町内の神輿渡御を終えると、憩の家から祭典会場である袖ヶ浦公園までは三町の合同渡御となる。通り三町では「通り三町神輿連合會」が組織されており、三町の宮入渡御は同会が仕切っていく。
●憩の家(出発19:00)
憩の家で一本締めをした神輿は、国道1号線へ出て西へ向う。ここからは三町の合同渡御となるため上町と中町の囃子屋台も加わるが、下町は神輿を先導し、上町が神輿の直後、中町が最後尾について隊列を組む。
車屋台に囃子方が乗り込み | 国道1号線にバックで出ると |
前進して憩の家の入り口を | 少し過ぎた所で停車 |
中町の後ろに上町の屋台も到着 | 出発の時間も近づき、最後は |
通り三町神輿連合會の進行 | 輿頭より挨拶があり |
一本締めで | 担ぎ手は肩を入れる |
準備が整うと | 神輿を担ぎ上げ |
敷地内を反時計回りに | 旋回 |
正面を北に向けると | 憩の家をお発ち |
国道1号線へ出ると | 左折して下町の車屋台に続く |
上町の車屋台は中町を追い越し | 神輿の後ろに付き |
最後に中町の車屋台が出発し | 行列の最後尾となる |
下町の車屋台に先導され | 国道を練り歩く神輿 |
塩海橋の交差点まで来ると | 青信号で |
交差点を横断し | 塩海橋を渡っていく |
一行はそのまま国道を進み | 次の休憩場所を目指す |
●魚藤駐車場(到着19:25、出発19:35)
国道1号線を西へ進み二宮交差点を通過した八坂神社神輿は、中町の守宮神社の正面に位置する魚藤の駐車場で休憩をとる。下町の憩の家から祭典会場の袖ヶ浦公園までは、休憩場所がこの魚藤駐車場の1箇所のみとなっている。
下町の車屋台は二宮交差点を | 先に横断 |
八坂神社神輿は | 赤信号で一旦停止 |
信号が青に変るまで待ち | 交差点を横断する |
上町と下町の車屋台も後に続き | 交差点を横断していく |
神輿は中町地区に入り | 守宮神社の前を通過 |
魚藤駐車場の前に来ると | 担ぎ手が反転して駐車場へ |
駐車場の奥まで進むと | 担ぎ手は再び前を向く |
駐車場の入口で | 守神會の会長が芯出し |
神輿は激しく揉まれ | 駐車場を前後に移動 |
馬の上で指示を出しながら | 迫る神輿を押し返す |
三町の屋台は縦に並んで停車 | ここで拍子木が入り |
神輿の下に馬を入れて | 輿を下ろす |
一本締めで休憩を取り | 休憩後は再び一本締め |
肩を入れ | 担ぎ上げる |
中町の車屋台はバックして | 駐車場の入り口をあけると |
神輿は中町と上町の | 車屋台の間を通って左折 |
上町の車屋台を追い越し | 再び国道1号線を練り歩く |
空はすっかり暗くなり | 神輿は中央通り入口の |
交差点を左折して | 海岸方向へ南下していく |
上町と中町の車屋台も | 中央通り入口の交差点を左折 |
●神輿蔵(到着20:00)
魚藤駐車場を出発した八坂神社神輿は再び西へ進むと、中央通り入口の交差点を左折し、上町と中町の境となる道を海岸方向へ渡御していく。神輿は袖ヶ浦公園に到着すると敷地内を反時計回りに3周し、しばらく神輿蔵の前で芯出しをしながら揉み、輿を下ろして三本締めで無事に宮入渡御を終える。
下町の車屋台に先導され | 住宅に挟まれた |
細い路地を甚句を交えながら | 練り歩く八坂神社神輿 |
下町は笛を歩きながら吹く | 神輿の後方には上・中町の屋台 |
先頭の下町の車屋台は | 神輿蔵のある袖ヶ浦公園に到着 |
右折して公園内に入り | 道路側に止める |
神輿蔵前では提灯の準備 | 八坂神社神輿が姿を見せ |
公園の前に | 到着すると |
右折して | 敷地内へ入る |
神輿は神輿蔵に背を向け | 海岸方向へ進む |
続いて上町の車屋台が到着し | 下町の右隣に止める |
海岸側に向かっていた神輿は | 公園の端まで来るとUターン |
上・下町の車屋台の前を通過 | 車屋台では神輿を囃す |
神輿は再び神輿蔵の前へ | ここで中町の車屋台が到着し |
左端に止め | 公園に三町の囃子が揃う |
神輿は反時計回りに | 公園内を練り歩く |
三町の車屋台前を通過 | 神輿蔵前では神輿を誘導 |
園内を2周した神輿は | 神輿蔵前で再びUターンし |
海岸へ向かって | 進んでいく |
海岸側の端で引き返し | 今度は神輿蔵へ向って直線 |
神輿が園内を3周すると | 囃子は演奏を止める |
甚句が入り | 神輿蔵前で神輿を揉む |
神輿を後退させ | 再び甚句を入れる |
神輿は勢いを増し | 神輿蔵を目掛けて前進 |
最後の芯出し役を務める | 通り三町神輿連合會の会長が |
神輿に押されてバランスを崩すが | 直ぐに体勢を立て直し |
神輿を後退させる | 神輿は勢いを弱めず |
再び前進すると | ここで拍子木が叩かれる |
神輿の下へ馬を入れ | ゆっくりと神輿を下ろす |
最後は三本締めで | 無事に渡御を終える |
直会
神輿渡御が終わると後片付けが始まり、八坂神社神輿では飾り付けや晒を外し、上町と中町の車屋台も敷地内で飾り付けを外していく。その一方で、敷地の中央には白線で円が描かれ、直会(なおらい)の準備が進められる。八坂神社神輿では轅を抜いて神輿蔵に納め、直会が終わると八坂神社の祭典も幕を閉じる。
袖ヶ浦公園での直会が終わると下町の関係者は憩の家に移動し、下町としての直会が別に催される。
下町の車屋台がバックし | 三町の中で一番手で |
袖ヶ浦公園を出発 | 下町の屋台小屋へ向う |
中町と上町の屋台は公園内で | 飾りを取り外していく |
八坂神社神輿でも | 装飾品の取り外しが始まる |
車屋台の骨組み以外は | 全て取り外していく |
公園の中央には円が描かれ | その中央に酒樽が置かれる |
神輿では晒が外され | 露盤から鳳凰が抜かれる |
先ほどの酒樽が割られ | これから直会が始まる |
神輿では装飾を外すと | 担ぎ上げて180度反転させ |
正面を海岸方向へ向けて | 神輿蔵へ納めていく |
直会では指名された者が | 草履を円の外で脱いで中央へ |
枡に注がれた清酒を | 勢い良く飲み干していく |
その後も指名された者が | 順番に清酒を飲んでいく |
神輿の片付けと同時進行で | 直会は続けられる |
“ サセ! サセ! ” | “ サシター! サシター! ” |
飾りの取り外しを終えた | 中町の車屋台が公園を出発 |
神輿蔵に納めた神輿から | 轅を抜き取り |
右奥へ運び | 轅をしまう |
直会は | まだまだ続く |
神輿を神輿蔵へ納めると | 扉を閉める |
片付けが終わる頃に | 直会も終盤へ |
最後に通り三町連合會会長が | 枡に注がれた清酒を飲み干し |
直会が終わると | 拍手で締めくくる |
最後はビールを配り | 乾杯で解散 |
私は袖ヶ浦公園を後にし | 下町の憩の家へ |
下町自治会の代表区長の挨拶 | に続き、宮総代の |
乾杯で | 下町の直会が始まる |
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