南金目神社例大祭みなみかなめじんじゃれいたいさい
(坪之内編)

疱瘡社と坪之内公民館

  かつて坪之内の西組の中には「カサガミサン」と呼ばれた「疱瘡社(疱瘡大明神)」という社があり、これは『風土記稿』に載る「疱瘡神社」で、坪之内公民館に付属した小さな社であった。毎年10(9?)月17日の祭礼には施主の藤間家のもと、御神体を開陳していた。昔、カサの病にかかった女性が金目川を渡って死んだのでその死体を焼いた跡だといわれ、疱瘡講ができるなど疱瘡・皮膚病・麻疹の神として近郷近在の人々が集まり、祭礼の日はたいそうな賑わいを見せたという。公民館前には文化9年(1812年)の燈籠があり、「坪之内 堀之内 題目講」とあった。
  現在では疱瘡社は南金目神社に合祀され、疱瘡社の社と文化9年の燈籠は撤去されて存在していない。ちなにみ、現在の坪之内公民館は昭和54年(1964年)に、それまで農協として使われていた建物を解体した部材を使って建てられた。

坪之内公民館(平成19年)疱瘡社
神額(疱瘡大明神)文化9年の燈籠
坪之内公民館(平成30年)疱瘡社は撤去されている


山車組立 (大祭1週間前)

  ここからは、南金目神社の氏子地区の一つである坪之内の、平成30年(2018年)の南金目神社例大祭での活動を紹介する。坪之内では本祭の一週間前に準備が行われ、9月29日(土)にはぼんぼりの設置(この年は悪天候の為、日程変更)、9月30日(日)には山車の組み立てが行われた。坪之内での祭礼の運営は、平成12年(2000年)頃に結成された坪之内交友会(前身は自警団)によって行われる。

本祭の1週間前は朝8時30分に公民館へ集合し
お宮へ向かって移動私は1年振りの南金目神社です
トラックを境内へ入れ倉庫の前へ寄せると
シャッターを開けトラックのアオリをおろす
山車の部材を運び出すこちらは締太鼓の枠
荷台へ積み込むとシャッターを閉め
トラックがお宮を出発交友会は徒歩で移動
副会長宅へ移動し家の裏手にトラックを止める
ベニア板をおろし既に組まれている
軒桁を地面へ置くその横で土台を組み
柱を立てて手摺を付ける
前方には太鼓用の横棒軒桁を持ち上げ
柱の上にホゾで繋ぎ束を立てると
棟木を束へのせる
トラックをバックさせ山車の横に寄せると
ベニアの屋根を上げビスで固定
切り妻の反対面も屋根を張る
前後に破風を取り付け骨組みが完成すると
山車を持ち上げて家側へ寄せる
この日は台風が来るため急遽屋根の中央を外し
風が抜ける様にし固定用の杭を地面に打ち込み
山車を動かない様に3ヶ所固定
さらに中央の地面に杭を打ちロープを使って
棟木と固定する台風対策が終わると
外した屋根を荷台へ載せ副会長宅を出発
坪之内公民館へ戻ると荷台の荷物を降ろして
屋内へしまうぼんぼりは台風が過ぎてから


宵宮準備

  ここからは平成30年(2018年)10月6日(土)に行われた宵宮の様子を紹介する。宵宮は午前8時に副会長宅へ集合し、山車を公民館へ移動させて山車の飾り付けや掲示板の設置などの準備が行われる。

朝7時45分に公民館に到着南金目神社へ行ってみると
神社役員が祭礼に向けて神楽殿や
社殿境内を清掃
交友会は先週山車を組んだ副会長宅へ8時に集合
一部のメンバーが屋根を取りに公民館へ
障子タイプの屋根のようです副会長宅へ戻ると
山車から雨除けのブルーシートを外し
山車を持ち上げてトラックへ寄せると
荷台を足場にして障子の屋根を載せ
ビスで固定トラックを移動させ
反対側へ屋根の取り付けが終わると
トラックを前に移動し山車を持ち上げて
荷台へ載せるアオリを閉めて
副会長宅を出発し坪之内公民館に到着
公民館からぼんぼりを出す通りでは枝を切り落とす
キャブ側にベニア板を張り破風に駒札を取り付ける
ぼんぼりを軽トラへ積む山車に飾る
一体型の提灯は2階から直接手渡す
ぼんぼりの設置でお宮へ移動締太鼓の枠を取り付ける
提灯枠はキャビネット上部と
両側面に設置電源を繋ぐと点灯します
電源はバッテリーを利用提灯枠は正面にも設置
坪之内交友会の提灯を設置お宮から神社役員が移動
公民館から花飾りを出し山車の前に並べる
照明を設置長い花は正面へ
短い花はキャビ上部へ先端を揃える為に竹で繋ぐ
大太鼓用の部材を取り付けるこちらは電気のコンセントとスイッチ
公民館前に杭を打ってぼんぼりを固定
締太鼓の枠をベルトで固定トラック正面に花飾り
サンダーを使って角材の面取り
山車とトラックをベルトで固定紅白幕を荷台へ回し
タッカーで固定してボディを覆います
助手席側に梯子を掛け花飾りは紐で固定
紅白幕は上部にも一周回します
ベニア板を並べのしの掲示板を設置
山車の飾り付けが終わると公民館の2階へ移動し
太鼓を運んで1階へおろします
山車に椅子とバチを積む
こちらものしの掲示板山車に大太鼓を積む
11時丁度に川前交友会が挨拶に訪れる
大太鼓を設置し毛布でくるむ
11時15分に準備が終わり交友会は一旦解散


坪之内地区巡行 (出発15:10、到着16:05)

  準備は午前中で終わって一旦解散し、午後は15時に公民館に集合して坪之内地区を山車で1時間ほど巡行する。

午後は14時に鍵を開け太鼓の準備
増し締めした締太鼓を枠へ嵌める
クーラーボックスに氷を入れ飲み物を入れて行く
集合時間の15時になると子供達の太鼓が始まる
5分程で演奏を止め紙コップに御神酒を注ぐと
交友会会長の挨拶でお清めの乾杯
15時10分に坪之内公民館を出発
西へ向かって移動しT字路を左折
坂を上がって道沿いに右折すると
畑に挟まれた細い道を抜け南金目神社へ
鳥居の横から宮入りし
社殿前に山車を止め太鼓を打ち鳴らす
5分程滞在すると山車を移動させ
鳥居横から宮立ち
来た道を引き返し坪之内公民館を通過
十字路を右折し坪之内の南側を巡行
道沿いに坂道をのぼり
十字路で左折右手の私道へ入る
この辺りが最南端の様です来た道を引き返し
十字路を右折太鼓は終始叩き続けます
見晴らしが良いです十字路を右折し
副会長宅を通過東へ進み
三叉路を右折急坂を登り
坂の途中で右折し行き止まりの道で待機
2分ほど止まって叩き再び移動開始
来た道を引き返し三叉路を右へ
三叉路を右折し右手の蓮性山宗信寺へ
敷地を抜け狭い出入り口を通って
川沿いの道を左折そのまま三叉路を直進し
前河原橋を通過川沿いを西へ進む
T字路も直進坪之内の地区範囲が
分って来ましたアスファルトから砂利道へ
こんな所まで来るんですね山車は途中で引き返す
所々でご祝儀を頂きます川沿いを引き返し
T字路を右折し直ぐのT字路を左折
突き当りのT字路を右折し次のT字路を左折
宗信寺の三叉路を右折三叉路を右折
坪之内はどこも道が細いです十字路を直進
ご祝儀のお返しにタオルを渡す16時5分頃に公民館へ到着


  ※この後は青柳地区巡行へ。

囃子

  坪之内の囃子は坪之内交友会によって伝承されており、太鼓はコバチ(締太鼓)2個とオオバチ(大太鼓)1個で構成され、演奏される曲目は「オハヤシ」と「ミヤショウデン」の2曲である。坪之内では他の地区と同様にかつては山車を曳いており、当時の山車は南金目神社の倉庫に保管されている。

山車(正面)山車(側面)
太鼓は横に並ぶかつて曳かれた山車
木の車輪柱と梁でしょうか
鉄製の梃子棒
オハヤシ


神輿

  南金目神社には神社神輿はなく、青柳・堀之内・川前の3地区は近年になってからそれぞれ大神輿を所有するようになったが、坪之内は大神輿を所有していない。また、坪之内にはかつて子供神輿があり、平成5年(1993年)頃まで担がれていたが、現在はその子供神輿は残されていない。坪之内は青柳と交流が深く、坪之内交友会は宵宮と本祭で青柳の大神輿に肩を入れる。



太鼓練習

  坪之内地区では大祭前に坪之内公民館で太鼓の練習が行われ、平成30年(2018年)は8月の最終日曜日と9月は毎週水曜日、大祭の1週間前は水・木・金曜日で、時間帯は19時から20時頃までとなっている。ここでは平成30年(2018年)10月4日の木曜日に行われた、太鼓練習の様子を紹介する。

練習場所は坪之内公民館2階へ上がり
太鼓をセットし19時から練習開始
別の締太鼓を準備し対面で並べて
練習再開私も練習に参加
昭和28年の賞状があります坪之内は微妙に間が違います
20時15分頃に練習を終え太鼓と台を片付ける


青柳地区巡行 (出発16:40、到着20:45)

  坪之内地区の巡行を終えると、宵宮の夕方は青柳地区へ移動し、神輿渡御に同行する。

クーラーボックスを積み込み通りの提灯を点灯
出発まで公民館前で待機中ではご祝儀等の事務作業
締太鼓を増し締め青柳の神輿の応援で
担ぎ手が軽トラへ乗り込み一足先に坪之内を出発
掲示板にのし紙を貼っていく私のも貼ってもらいました
締太鼓をセットし毛布を掛ける
出発前に腹ごしらえをし叩き手が山車に乗り込むと
16時40分頃に坪之内を出発青柳を目指します


  ※この後は青柳地区巡行へ。

  青柳地区での巡行を終え、帰り道で堀之内に寄って太鼓を叩いたのち、坪之内の山車は公民館へ戻って21時頃まで太鼓を叩き、この日は解散となる。

観音橋入口交差点を右折し観音橋で金目川を渡り
宗信寺で左折しいつものルートで20時45分頃に公民館に到着
公民館前で21時頃まで太鼓を叩き
締太鼓と大太鼓を外して
公民館へ運ぶ締太鼓を緩めます
荷物を軽く整理し宵宮は21時20分頃に解散


坪之内地区巡行 (出発8:15、到着10:20)

  ここからは平成30年(2018年)10月7日(日)の本祭の様子を紹介する。本祭当日は朝8時に坪之内公民館へ集合し、2時間掛けて坪之内地区を太鼓の山車で巡行する。

大祭当日は8時前に公民館の鍵が開き
締太鼓の調整集合時間の8時になると
締太鼓と大太鼓を山車に上げ
大太鼓を取り付けて毛布を掛ける
8時10分になると会長の挨拶で乾杯
締太鼓を枠に嵌め8時15分に
公民館を出発宵宮と同様に
南金目神社へ向かう参道を通り
鳥居横から宮入り境内では役員が清掃中
山車を社殿前に止める比々多神社の宮司も到着
本祭の巡行は南金目神社の参拝から始まります
宮司が参拝し坪之内が呼ばれると
社殿前に向かい修祓の神事が始まる
山車をお祓いし交友会を御祓い
二礼二拍手一礼で参拝を終え
山車に乗り込みお宮を出発
太鼓を叩き来た道を引き返す
坪之内公民館前を通過し十字路を右折
宵宮と同じ経路で南へ向かって移動
坂の頂上付近で左折途中でご祝儀を頂きます
右折して私道に入り
5分程待機し再び出発
十字路を右折して引き返し先ほどの十字路を右折
東へ進み三叉路を右折
坂を登り途中で右折
5分程待機し再び出発
引き返して三叉路を直進宗信寺で三叉路を右折し
右折して寺の敷地へ境内を抜け
お寺を出ると左折して金目川沿いを進む
前河原橋を通過坪之内は字名で
住所は南金目になりますご祝儀のお返しにタオルを渡す
砂利道で切り返し来た道を引き返す
T字路を右折し空き地の角を左折
少ないですが新しい住宅も突き当りを右折し
角のお宅の入口へ時刻は9時25分頃
5分ほど太鼓を叩き山車を降りると
奥へ進み休憩を取ります
坪之内で唯一の休憩場所です家主にお礼を言い
叩き手が山車に乗り込み10時に出発
T字路を左折し三叉路を左折
宗信寺の境内を抜け金目川を右折
川前へ向かって進み安養寺横の駐車場へ
5分程待機し左折して引き返す
宗信寺で左折し三叉路を左折
右手は分譲地になりそうです三叉路を右折し
2時間程の巡行を終え10時20分に公民館に到着


本祭渡御 (出発11:00、到着17:20)

  坪之内地区の巡行を終えると山車は公民館を出発し、青柳の山車を迎えに宵宮の休憩場所であった大西礦業へ向かう。

10時30分で太鼓を止め締太鼓を増し締め
11時になると山車と軽トラに乗り込み
公民館を出発これから青柳の山車を迎えに
大西礦業へ向かいます山車は東へ進み
宗信寺を通過し右折して金目川沿いを進み
左折して観音橋を渡る観音橋入口交差点を左折し
県道62号を秦野方面へ南金目交差点を直進


  この後は本祭渡御へ。

  南金目神社へ宮入りした4地区の山車がそれぞれの地区へ戻っていくと、坪之内の山車は御嶽神社神輿の渡御に加わり、17時20分頃に坪之内公民館へ戻って来る。夜になると川前交友会の神輿が山車と共に坪之内公民館の前を通過し、南金目神社に宮入りする。

堀之内から帰って来た坪之内の山車は
公民館の手前で右折し民家の庭で停車
締太鼓を外し公民館へ運ぶ
公民館前ではお客さんを招きバーベキュー
屋内では締太鼓を緩める南金目神社へ向かう氏子
18時10分頃になると山車の上で太鼓を再開
東側から提灯が現れ川前交友会の神輿が
坪之内の山車の前を通過公民館も通過してお宮へ
川前の山車も坪之内公民館を通過
私も川前を追ってお宮へ大祭の夜にお宮に来るのは
初めてです予想以上に賑わっています
南側に山車が止まり社殿前に神輿が置かれる
19時10分頃に山車が出発神輿では一本締められ
担ぎ上げられると参道を通って
鳥居から宮出し来た道を引き返し
坪之内公民館を通過し川前に戻っていく


坪之内地区巡行 (出発19:45、到着20:30)

  川前交友会の神輿が川前に戻ると、坪之内では太鼓の山車が最後の巡行に向かう。

私も再び太鼓に参加19時45分頃になると
巡行に向けて山車が出発十字路を直進し
突き当りの三叉路を左折宗信寺裏の三叉路を右折し
金目川に突き当たって右折安養寺横の駐車場で
暫く太鼓を叩き駐車場を出発して
金目川沿いを西へ進む前河原橋のぼんぼりが綺麗です
真っ暗でギャラリーもいないですが夜の巡行は気持ちが良いです
奥で引き返すと5分程休憩し
再び出発右折して金目川を離れ
T字路を左折太鼓の音が良く響きます
突き当りを右折しT字路を左折
宗信寺の三叉路を右折し続く三叉路を右折
最後の直線を進み20時半頃に公民館に到着
外では身内でバーベキュー中です山車を止め
締太鼓と大太鼓を外し
室内で締太鼓を緩め毛布で包む
最後に焼きソバを作り私も頂きました
後片付けをして手締めで解散
山車の解体と直会は明日です坪之内の皆様お疲れ様でした

  本祭は21時40分頃に解散となり、翌日の10月8日(月)に山車の解体などの片付けが行われ、片付け後は直会が開かれる。



                



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